「この疲労感と充実感を味わいながら帰るのがサイコーなんだ」
「まったく異論はないよ、そのために今日もコースにチャレンジしよう」
こんな会話を交わしたのはモトクロスコースで数年ぶりに再会した仲間だった。
奇遇にもその仲間も数年ぶりのライディングということで・・・
「俺は〇年ぶりだ」
「いや、俺は〇〇年ぶりだ」
こんな会話の裏には現役時代から比べて
完全に落ちきったスピードの言い訳をさりげなくアピールするという何とも切ない事情がある。
一頻り
言い訳をやり終えた僕に仲間はこう言ってきた。
「なるほどね、ところであのダブルジャンプは今日飛ぶのかい?」
「あぁ・・・もちろんさ・・」
これで、このコース一番でかいダブルジャンプを今日中に飛ばなければいけない状況が生まれた。
言葉は慎重に選択するべきだとその時あらためて感じた。
しかし何とかジャンプはクリアし面目は保たれた。
言うまでもなく、それからのライディングは最高に気持ちよかった。
以前、先輩に言われたことがある。。。
「30代後半にもう一度乗りたくなるよ」
10代で感じていたドキドキ感。
忘れかけていた僕は、またドキドキしている。
今になってなんだよ、だらしないヤツはきらいだ! パパが言いだしたことなんだ、度胸をきめてやってこいよ!
映画:フル・モンティより