負けて気持ちいいことがあるものか・・
本日は福祉施設の健康体操でした。
いつもの参加者に挨拶をして、体操がスタートしたのですが、おひとりだけ参加されない方が・・・
約60分の体操を終えて、その方(80代の男性)の様子を伺いに行くと、
ぞうり を作成されていた。
大きな四角い生地を2センチ程、手で裂きながら一本のヒモにして編んでいく。
同じ工程を延々と繰り返してやっと
片足のぞうりが出来る。
「どこかで習われたのですか?」
「いや、小さい時はみんな学校の先生に言われて教わったんよ」
「言われた・・・??」
「そう、自分の履物ぐらい自分で作れって」
なんということでしょう。
自分の履物を作ったことありますか?
Wasakaと約
50年の差。
当然50年という歴史は大きい。
しかし同じ時代を今もこうして生きている。
そんな目の前の方と、この感覚の違い。
自分の履物を作る感覚。
・・・が、ない。
たった50年でこの便利さ、快適さ。
その男性は続けて言った・・・
「人に合わせて作らなあかんのよ、これ」
「欲しいって(ぞうり)人に頼まれてるから、体操行けやんかったんよ、行こうと思ってるんやけどな・・・すまんな。」
そう言って見せた顔は必要とされる人の表情だった。
思わず口から出た・・・
「とんでもない、ヒマになったら来て下さい」
健康運動指導士の立場では失格かもしれないが、なんとなくこれでいいんだと思った。
Wasakaの体操は今日見た
笑顔 には到底勝てない。
しかし、こんな
心地いい完敗なら悪くはない。
これでいいのだ。
バカボンのパパ